1 背景

50代の女性(被相続人の子)から、3年前に亡くなった父(被相続人)名義の不動産の処理について、ご相談がありました。
被相続人は再婚していましたが、被相続人が亡くなった2年後に、その再婚相手の方も亡くなりました。
再婚相手の方には、子が1名おりました。
これにより、被相続人が亡くなったことにより再婚相手の方が取得していた被相続人名義の不動産に対する相続権は、その子(相手方)に相続されました。
そのため、依頼者は、被相続人名義の不動産について、相手方と遺産分割の話し合いをする必要があるという状況でした。
また、被相続人が亡くなった際には、依頼者と再婚相手の方との間で、不動産及び仏壇等を管理していくことを条件に、被相続人名義の預貯金600万円を再婚相手の方が引き継ぐことで合意していましたが、その600万円が、そのまま再婚相手名義の口座に残っていました。

依頼者は、再婚相手の方が亡くなった後、相手方へ手紙を送付し、連絡を取ることを試みました。
もっとも、半年以上をかけて何度も手紙を送付したものの、相手方からは一向に連絡がありませんでした。
そこで、弁護士に対応をお願いしたいとのことで、当事務所にご依頼いただくこととなりました。

2 当事務所の活動とその結果

当事務所の弁護士は、速やかに遺産分割等の話し合いを求める書面を送付したところ、すぐに相手方から応答が得られました。
もっとも、相手方は、被相続人の再婚相手であるご自身の母親に対して、感情的な反発がある様子で、そのことが影響して、遺産分割や不動産登記・預金解約の手続への協力を拒むような態度でした。
そのため、当事務所の弁護士は、相手方の話に十分に傾聴し、感情面に配慮しつつ、依頼者の目的を達成するために、粘り強く説得を続けました。

その結果、相手方は「自分は何も引き継ぎたくない。」、「必要な書類を送ってもらえば、手続に協力する。」という態度に変わり、最終的に、相手方から必要書類を取り付けることで、無事に遺産分割協議を成立させ、不動産登記・預金解約の手続を完了することができました。
内容としては、依頼者が不動産を単独取得する遺産分割協議を成立させるとともに、被相続人名義の口座から再婚相手名義の口座へ引き継がれていた預貯金600万円を依頼者が譲り受けることで、解決することができました。

3 所感

当事務所では、迅速な対応による早期解決を目指して、相続問題の対応にあたっております。
本件でも、依頼者が半年以上をかけて何度も手紙を送付しても連絡が取れなかった相手方に対して、当事務所の弁護士が対応することで、ご依頼から2か月ほどで遺産分割協議を成立させ、不動産登記、預金解約の手続を完了することができました。

4 お客様の声

迅速な対応をしていただき、大変感謝しております。
ありがとうございました。