1 背景

70代の女性から、亡くなった子(被相続人)の相続放棄についてご相談をいただきました。

被相続人には未成年者の子(お客様からみての孫)がいました。
被相続人が生前に離婚をしていたこともあり、被相続人が亡くなる前からお客様が被相続人とともに未成年者の面倒をみていました。
被相続人に借金があることがわかったため、お客様ご自身と未成年者の相続放棄手続きをしたいとのことで、ご依頼をいただくことになりました。

2 当事務所の活動と結果

まず、親権者である被相続人が亡くなったことで、未成年者の相続放棄手続きを行うことができる者がいなくなったため、当事務所の弁護士はお客様を未成年後見人とすべく、未成年後見人の選任申立てを行いました。
その申立てにあたっては、未成年者の実父による親権者変更の主張も予想されました。
そこで、事前に実父の意向を聞いて当方の方針について同意を取り付けることで、お客様を未成年者後見人とすることをスムーズに行うことができました。

次に、未成年者が相続放棄を行うにあたって、未成年後見人であるお客様が未成年者の次順位の相続人であることから、お客様自身による未成年者の相続放棄手続きができない関係にありました。
そのため、未成年者を相続放棄させるための特別代理人の選任申立てを行いました。
当事務所の弁護士は、お客様から依頼を受けている関係上、特別代理人になることができなかったため、家庭裁判所に適宜の弁護士を選任してもらうことになりました。
その結果、家庭裁判所から選任された弁護士が未成年者の相続放棄手続きを行うことで、無事、未成年者の相続放棄手続きが完了しました。

そして、最後に、当事務所の弁護士がお客様の相続放棄手続きを行い、お客様の相続放棄手続きも完了したため、当初の依頼目的を達成することができました。

3 所感

未成年者が相続放棄を行う場合には、親権者が代理手続きをする必要があります。
もっとも、本件のように、単独で親権を持つ親が亡くなった場合には、未成年者に代わって相続放棄をすることができる者がいなくなるため、もう一方の実親へ親権者を変更するか、別の親族などを未成年後見人とする必要があります。
この点、実親が、自身を親権者とするよう強く主張してくることが予想され、未成年者に相続放棄させるだけでも手続きに時間がかかる恐れがあります。
また、未成年後見人を選任したとしても、未成年後見人が未成年者より後順位の相続人である場合には、未成年後見人が未成年者を相続放棄させるための手続きを行うことができないため、特別代理人の選任を必要とします。
このように、未成年者を相続放棄させる場合には、どのような申立てを行うべきか専門的な知識が不可欠であるため、まずは弁護士へのご相談をお勧めいたします。

4 お客様の声

親身な対応でとても良かったですありがとうございました
何かの時は又お願いしたいと思いました。

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