1 背景
60代の男性から、遺産分割協議についてのご相談をいただきました。
お客様の父(被相続人)が死亡し、相続人は長男であるお客様と長女(相手方)の2名でした。
法定相続分は、2分の1ずつです。
遺産分割の対象は、被相続人の複数の不動産(価格合計約5000万円)と、預貯金等(約300万円)でした。
相手方は、弁護士を付けて、お客様に対し、①お客様が遺産をすべて取得する代わりに、相手方に2000万円を支払うか、②相手方が賃貸不動産1つ(土地・建物)を取得、お客様がそれ以外の遺産を取得し、差額としてお客様が相手方に1000万円を支払うかの2案を示してきていました。
お客様は、相手方からの高額の要求に困惑し、こちらも弁護士を立てて対応したいとのことで、当事務所にご依頼いただきました。
2 当事務所の活動と結果
当事務所の弁護士は、ご依頼を受けたあと、お客様のご意向に基づき、まずは、①相手方が遺産をすべて取得する代わりに、お客様に2000万円を支払うか、②お客様が賃貸不動産1つ(土地・建物)を取得、相手方がそれ以外の遺産を取得し、差額として相手方がお客様に1000万円を支払うかの2案を示しました。
つまり、相手方が出してきた案と正反対の要求を突き付けたのです。
これに対し、相手方は、さすがに当初の要求は取り下げ、不動産を売却して換価分割とする案を再提示してきました。
その後、不動産の価格の評価を巡る議論や、お客様が被相続人の不動産の維持のために支出してきた維持費等について、寄与分の主張をするなど、何度も交渉を重ねていきました。
その過程で、相手方は、不動産の売却の見通しが不明であることなどを考えてか、徐々に要求金額を引き下げていき、最終的に、「相手方が賃貸不動産1つ(土地・建物)を取得、お客様がそれ以外の遺産を取得し、お客様が相手方に200万円を支払う」との条件で折り合いました。
相手方の当初要求額から800万円減額した内容で、遺産分割協議を成立させることに成功しました。
3 所感
粘り強い交渉を続けた結果、相手方の当初要求額から大幅に引き下げることができました。
この結果に、お客様は大変満足していました。
4 お客様の声
弁護士の先生には大変お世話になりました。若い先生でしたが力強く対応していただき心強かったです。
本当にありがとうございました。