1 背景

80代の男性から、遺産分割協議についてのご相談をいただきました。
お客様の妻(被相続人)が死亡し、子どもがおらず、妻の親もすでに亡くなっていたため、相続人は夫であるお客様のほか、妻の兄弟姉妹・甥姪合わせて7名でした。
お客様の妻の兄弟姉妹・甥姪は、1名を除いてお客様との面識がなく、しかも全国各地に散らばって、外国にいる者も複数名いました。

遺産分割の対象は被相続人の預貯金約1200万円であり、お客様の法定相続分が4分の3、被相続人の兄弟姉妹・甥姪の法定相続分が合計で4分の1でした。
これに対し、お客様は、被相続人の預貯金の出所がお客様の預貯金であること、お客様が被相続人とずっと同居して世話をしてきたことから、法定相続分にかかわらず、被相続人の預貯金の全額を取得することを希望されました。

しかし、ご自身で対応するのは大変とのことで、当事務所にご依頼いただきました。

2 当事務所の活動と結果

当事務所の弁護士は、ご依頼を受けたあと、お客様のご意向に基づき、被相続人の兄弟姉妹・甥姪のひとりひとりに対し、相続放棄をするように、郵便や電話で依頼しました。
本件のように、子どもがおらず、親もすでに亡くなっているという方が死亡した場合、相続人は配偶者および兄弟姉妹・甥姪となり、人数が多く、複雑になりがちです。
それでも、なんとか全員の協力を得て、被相続人の預貯金の全額を取得することに成功しました。

3 所感

相続人の数が比較的多く、外国にいる者もいたため、通常よりも手間がかかりましたが、お客様のご希望どおりの解決に漕ぎつけました。
この結果に、お客様は大変満足しておられました。