相続トラブルは一部のお金持ちだけの話と考えていらっしゃる方も少なくありません。
しかし、実際の統計を見てみると、必ずしもそうではないことが分かります。
最高裁判所が公表した平成27年の司法統計によると、遺産分割案件のうちの認容・調停成立件数(「分割をしない」で終わったものを除く)について、遺産総額別の内訳は次のとおりとなっています。
1000万円以下 2611件 32.1%
5000万円以下 3565円 43.8%
1億円以下 1039件 12.8%
5億円以下 594件 7.3%
5億円を超える 34件 0.4%
算定不能・不詳 298件 3.6%
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総数 8141件
すなわち、全国の裁判所に持ち込まれた遺産分割案件のうち、75.9%が遺産総額5000万円以下という統計結果になっています。
そして、全体の約30%が、1000万円以下という身近な遺産規模で争われているのです。
ちなみに、平成27年以前のここ数年の統計結果も調べてみましたが、若干の数値の上下はあるものの、内訳の比率はそれほど変わりませんでした。
このような統計結果から、相続トラブルは一部のお金持ちに限った話ではなく、市民の皆様の誰もが直面し得る身近な法律問題であることがお分かりいただけると思います。
遺産分割でトラブルとなるケースは、遺産総額が2000万円~3000万円程度が最も多いと言われています。
当事務所に遺産分割の件でご相談いただくケースを見ていても、やはり遺産総額が5000万円以下の事例が多いと実感しています。
遺産分割の件でお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。
(弁護士・木村哲也)